この記事の結論
囲炉裏の煙を出す換気口は、DIYなら費用5千円ほど・作業時間3時間ほどで天井に取り付けられます。一番の難所は天井と屋根の開口で、いろいろな工具で試した結果、インパクトドライバーで小さな穴を開け、そこから糸鋸で屋根材ごと切っていく方法が一番楽というのが筆者の結論です。
筆者は2021年に「みんなの0円物件」で取得した福島県田村市の平屋を民泊向けにリフォーム中で、この記事では囲炉裏の真上の天井に換気口を実際に取り付けた手順を、写真つきで最初から最後まで紹介します。
なぜ囲炉裏に換気口が必要なのか
この平屋は福島県田村市にあり、2021年に「みんなの0円物件」さまを通じて取得しました。物件の取得方法には競売などいろいろな手段がありますが(参考:競売不動産とは?始め方を初心者向けに解説)、この物件は0円物件です。賃貸用にするにはあまりにも奥まったところにあるため、民泊として利用できないかいろいろ模索しているところです。民泊利用には様々な行政手続きを経なければいけないため、その間に物件を快適に利用できるようリフォームしています。
今回は、囲炉裏の煙を排気するための換気口を天井に取り付けます。

囲炉裏のある家なんて今どき珍しく、民泊の売りにもしたいと考えています。ところが、建築当初に囲炉裏用の排煙設備を取り付けるのを忘れていたそうで、前の所有者も囲炉裏は使っていなかったとのことです。このまま囲炉裏を使うと、薪をくべるたびに部屋に煙が充満してしまいます。

換気口の設置場所と屋根の構造を確認する
そこでまず考えたのが、換気口を囲炉裏の真上に取り付けることです。
幸いにもこの物件は平屋で、しかも囲炉裏のあるダイニングキッチンには屋根裏が無さそうでした。構造は3層(野地板+防水シート+金属屋根、たぶんガルバリウム鋼板)という、比較的穴あけのやりやすいものです。天井から屋根までまっすぐ貫通させれば、煙の通り道を作れます。
使った部材・道具と費用(合計5千円ほど)
取り付けた換気口は、①室内側のもの、②屋根側のものの2種類です。
| 部材 | 価格(購入当時) | ポイント |
|---|---|---|
| ①角型レジスター ABS樹脂製 開閉/上下レバー式 | 2,190円 | スライド式で開閉可能。250㎜×300㎜角 |
| ②換気扇用ウェザーカバー(格子付) | 899円 | 雨が入り込まないようRを描いた形状。格子の目が粗いので、防虫のため網戸の網を出入り口に張り付けます |
どちらもモノタロウで購入しました。安すぎませんか、モノタロウ。。。
部材費は2,190円+899円=3,089円。コーキング材や網の費用も加味すると、5千円ほどでできる計算です。
作業に使った道具は次のとおりです。
- インパクトドライバー(木工用・金属用のドリルビット)
- 丸ノコ、鑿(のみ)、ハンマー、バール
- 金切りバサミ(屋根の鋼板の切断に使用)
- 脚立、ロープ(屋根上の安全確保用)
- コーキング材、網戸の網、ポリカ波板・金物・端材(防水・防虫対策用)
先に結論を言うと、丸ノコ・鑿・バールを駆使した開口はかなり苦労したので、糸鋸を用意しておくのがおすすめです(理由は次の章で説明します)。
室内側(天井)の開口手順|糸鋸が一番楽です
まずは室内側の換気口を作ります。脚立で手が届く高さだったので助かりました。
1. ケガキ(切り取り線の下書き)
角型レジスターの換気部分のサイズに合わせてケガキをします。本体をビス止めする必要があるため、ビス穴よりも内側に、小さく開口するよう注意します。

2. ケガキ線に沿って開口する
ケガキした線に合わせて穴をあけていきます。この「下側から板を切っていく作業」が一番大変でした。 私は丸ノコ、インパクトドライバー、鑿、ハンマー、バールなどいろいろ駆使しましたが、1時間くらいかかりました。。。

インパクトドライバーにつけたドリルビットでケガキ線上に穴をたくさんあけ、そこを丸ノコで削ったり、鑿とハンマーで貫通させたり、バールで抉ったりと、あの手この手で少しずつあけていきました。
3. 【反省】おすすめは「小穴→糸鋸」方式
苦労した結果わかったことですが、おそらく一番楽なのは、インパクトドライバーでケガキ線上に小さい穴をあけ、そこから糸鋸で屋根材もろとも切っていく方法です。 私はこの時点で屋根材がどれだけ固いかわからず、室内側の木と屋根材を別々に処理しようとして、かえって苦労しました。

屋根側の開口手順|安全確保が最優先です
室内側を開けたら、続いて屋根側を開けていきます。
1. ロープを張って屋根に上る
屋根に上って作業しますので、安全確保しながら登ります。家の前後に丁度良いヒノキが2本あったので、ロープをくくって屋根の上にぴんと張り、脚立で屋根のふちまで登ってからは、そのロープをつかみながら屋根の上に上りました。屋根の勾配はそこまで急ではないので、普通に立つことができました。

2. ケガキ→穴あけ→ハサミで切断
屋根側でも、換気口のビス穴より内側で開口するようにケガキをします。ケガキ線上に、インパクトドライバーの金属用ビットで穴を開けていきます。最初はグラインダーでないと切断できないかと思っていましたが、薄い鋼板だったのでハサミでえっちらおっちらと切っていくことができました。

3. ルーフィングを切って貫通
機能としては、煙が抜ける穴が開いていて、雨と虫が入らなければOKです。ルーフィング材(防水シート)も穴に合わせて切り取り、無事に貫通です。

換気口の取り付け|防虫・防水対策までやります
無事に両側が開口したら、角型レジスターとウェザーカバーをビス止めしていきます。
室内側:レジスターの取り付けと開閉ひも
悲しいことに、室内側の開口穴と屋根側の開口穴がずれていたせいか、角型レジスターの開閉がうまくいきませんでした。開閉板の立ち上がる部分に屋根材が干渉してしまうのです。仕方がないので、レジスターを表裏反転して取り付けました。こうすれば開閉板は室内側に立ち上がるので、きちんと機能します。
また、開閉のたびに本体のつまみをいじらなくて済むよう、つまみにひもを通して、ひもを引っ張ることで開閉できるようにしておきます。 これで室内側はOKです。
屋根側:ウェザーカバーの取り付けと防虫網
続いて屋根に上って、ウェザーカバーをビス止めしていきます。このとき、防虫対策用の網を取り付けます。普通の設置環境であればそのまま取り付けて問題ないと思いますが、ここは林の中の一軒家なので防虫対策が必要です。網戸の網を利用して、ウェザーカバーのビス止め面と格子が開いている面の2か所に網を張り、ビスと一緒に揉みこむことで固定してしまいます。
防水対策:コーキングとポリカ波板
屋根の加工ですので、防水対策として、ウェザーカバーのビス穴と周囲にコーキングを施します。
さらに、横殴りの雨による室内への水の侵入を防ぐために、ポリカ波板を設置します。本来ウェザーカバーは壁面に設置し、開口部が下を向くことで雨が入らないようにするものです。今回はそれを屋根に取り付けているため開口部が真下を向いておらず、横殴りの雨の侵入を許してしまう可能性があります。そこで開口部の前にポリカ波板を設置し、煙は逃がしつつ、外からの雨を防ぎ、水がたまらないよう屋根からは浮かせます。

取り付け方は色々考えられますが、手持ちの資材と手間を考えた結果、T字型の金物を角度をつけてウェザーカバーに留め、端材の木でポリカ波板を受けるという形にしました。見た目は不格好ですが、屋根上で目に付く場所ではありませんし、問題があった場合に後で試行錯誤しやすいよう、このまま様子を見たいと思います。
使ってみた結果と注意点|強い煙は抜ける、弱い煙は残る
作業完了後、囲炉裏を使いましたが、きちんと排煙されているようです。
- 火の勢いが強く、もくもく煙が上がるとき:上昇気流のおかげできちんと煙が抜けていきます
- 火の勢いが弱く、ゆらゆら煙が上がるとき:室内に煙が拡散してしまいます
こういう弱い煙まで排煙するには、焼き肉屋のテーブル上にあるような機械的な排気に頼るか、茅葺のように天井面全体から排煙する必要があるでしょう。雨風を防ぎつつ囲炉裏も最大限活用できるように、昔の家はよくできていたんだなあと改めて感心します。
何はともあれ、煙の軽減という当初の目標は達成できました。
まとめ:所要3時間・費用5千円ほどで囲炉裏の煙対策ができました
- 所要時間は3時間ほど、かかった費用は換気口部材2,190円+899円=3,089円でした。余った資材を活用したのでこれだけで済み、コーキング材や網の費用も加味すると5千円ほどでできそうです
- 開口は一番の難所です。インパクトドライバーで小穴をあけ、糸鋸で屋根材もろとも切っていくのが一番楽だと思います
- 屋根に上る際はロープを張るなど安全確保を最優先にしてください
- 屋根に穴を開ける以上、コーキングによる防水と、網による防虫まで忘れずに行いましょう
この平屋では、ほかにも沢から水を引くDIYや古い畳の処分・切断DIYにも挑戦しています。セルフリフォームの参考になれば嬉しいです。これからは囲炉裏ライフを楽しみつつ改良していきます!




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