情報収集シリーズ、ラストということで自分で体験して情報を集めることについてです。
メリットとデメリットは以下。
メリット
・感情もセットでついてくる
・関連する事項まで予測できるようになる
・適応と改善が経験になる
デメリット
・時間を犠牲にする
・嫌な思いをする可能性がある
・感情もセットでついてくる
見聞した情報は基本的に自分と切り離されたものであり、その情報の中身を体感できるわけではありません。
一方で自分で手を動かし、足を運び、頭を使い、汗を流したことはまさしく体感であり、同時に感情が動きます。
感情がどういう風に動くのか、感情をどのように受け止めるのかは、その体験をその瞬間に味わったあなた自身が決めることであり、他の人はそれを知りようがありません。
後に言葉を通して体験を語ることができても、それを聞く人もそれを語るあなた自身も、言葉というフィルターを通した情報にしか触れることができません。
あなたが出来事に対してどのように向き合うのかは、それを体験しないとわからないのです。
向き合って初めて
「自分はこういうことは好きだな」
「これはどうしてもやりたくないな」
ということがわかるのです。
体験した中で味わう感情が次の行動や計画に大きく影響します。
基本的に好きなことをやりたがり、嫌いなことを避けたがります。
「DIYすると業者さんにやってもらうよりコストが抑えられる」
これは確かに事実なのですが、この情報だけでは感情が含まれていません。
実際にDIYを行う、業者さんに依頼するということを体験してみて初めて、
「DIYってしんどい。お客様気分で業者さんにお金を多く払った方が楽できる」
「DIYは時間がかかるけど、黙々と作業をして進む感覚が楽しい」
「業者さんと電話して礼儀正しくやり取りするのがストレスでたまらない」
等の、次の行動に直結する判断に至るのです。
ある情報が明文化され公表されるには、膨大な体験の蓄積が背景にあり、そうした背景は体験することで掴めます。
・関連する事項まで予測できるようになる
明文化され、公表されている情報は極めて限定的であり、情報の背景まで予測することは体験なくしては不可能です。
「畳の和室をフローリングの洋室に変更して家賃を1万円アップした」
不動産賃貸業の中ではよく目にする情報ですが、
・和室と洋室の印象の違い
・畳の重さ
・床下の整備方法と必要な部材
・フローリングの種類
・家賃1万円アップにふさわしい仕上がり
等は情報の表には出てきません。
自分に体験がないと、賃料アップに見合うと思える作業なのか、そうでないのかの判断ができません。
体験することで、自分がどれだけ大変な目に合うか、もしくは楽しい体験ができるのかが予測でき、次の行動の判断につながるのです。
・適応と改善が経験になる
私自身DIYをやってみて初めて分かったのですが、
・自分ひとりで考えて作業するのは楽しい
・短絡的な思考になりがちで、全体的に時間のロスが多い
・うまくいかなかった時にどうすればわからなくなってしまうと絶望的になる
・一度決めたやり方でうまくいかないかも、と思ってもそこから方法を変えるのが我慢できずに最後までやって、結局やり直す羽目になる
というようなことを感じました。
上に挙げた点はネガティブなことの方が多く書かれていますが、「楽しい」という感情の方が総じて強いのでDIYはこれからもやるでしょう。
ネガティブなことの多くは、不慣れであるためやうまくいかなかったことが原因です。
しかし、こうしたネガティブな原因の多くは体験を通じて改善されます。
ヒト(に限らず生物全般)は学習により、次に同じ状況に直面した時により適応的に、無駄をそぎ落として、短時間で同じ成果を出せるようになります。
これは体験を通してできるようになる過程であり、体験しなければできるようにはなりません。
多くの情報はできるようになった後の結果の報告のようなものであり、体験の初期から学習を経た適応後までのプロセスこそが経験値といえます。
この経験値を持っている人の情報は多角的で厚みがあり、全体を体験しているからこその説得力を持ちます。
経験値を持たない人の情報は何が言いたいのかわからない情報や、パッとしないペラペラな情報が多く、また情報の厚みを見抜くこともできません。
重要なのは改善のプロセスを自分の中に刻み続け、それに伴う感情を大切にすることです。
これは他のどんな媒体でも得ることのできない貴重な情報なのです。
・時間を犠牲にする
体験のデメリットになりますが、体験には時間がかかります。
世界で1つしかない自分の身体を何にどのように使うのか?
ある体験をするということは、他の体験をしないということになるので、優先順位をつける必要があります。
優先順位の低いことは自分でやらずに人にお願いをする、あるいは切り捨てるといった判断も必要です。
人生は有限であり、古代ローマの皇帝の一人であるマルクス・アウレーリウス曰く、
「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。
生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。」
マルクス・アウレーリウス(『自省録』岩波文庫 48頁)
という言葉があります。
あなたの行動の優先順位はあなたがつけるのです。
ただし、無駄な行動をすることを恐れる必要はないですし、後ろ髪惹かれながらその行動をする必要もありません。
行動は体験であり、体験を通じてしか知りえないことの方が多いのです。
・嫌な思いをする可能性がある
続いてデメリットの2つ目です。
体験には自分の感情が伴うということを書きましたが、ポジティブな感情だけではありません。
誰かに嫌なことを言われたり、目の前が真っ暗になるような絶望感を味わう時もあります。
結果的に傷ついたり、後悔する場合もあります。
しかし、それがいったい何なのでしょうか。
傷ついても傷つくだけです。
そしてそれもまた経験となり、改善につながります。
「自分は嫌な思いをしたくない。失敗したくない。」
これはある意味思い上がりであり、自信過剰なのです。
あなたは傷ついていい存在なのです。
なぜならその傷を糧に成長し、前に進むことができる存在だからです。
決して傷をつけずに大事にされることは受容や慈悲ではなく疎外です。
あなた自身に備わる能力や機能を存分に発揮することこそが、存在を大事にするということです。
体験はあなたの機能を発揮する重要な手段なのです。
見聞する情報はあなたの人生のほんの一部、一要素に過ぎません。
自分で身体を動かし、頭脳を使い、心を育むことが大事なのです。
さあ、体験しましょう。
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