・所要時間は1時間半~2時間
・ところどころ質問させてくれるので気になったことは遠慮なく聞こう
・検査内容は血液採取(約30ml)
・交通費は実費で支給される
確認検査はドナーハンドブックを読みながらドナーの説明を口頭で聞き、健康状態の確認のために採決するものです。
この時、初めてドナー候補とコーディネーター、調整医師が顔合わせをします。
※ドナー候補=患者さんと白血球の種類が適合した候補者
コーディネーター=連絡、日程調整、ドナー候補者への説明役
調整医師:医学的な解説、採取前の健康状態確認をする医師。採取医師とは別
顔合わせ~診察室へ
当日は病院の入り口入ったところでコーディネーターの方が立っています。
骨髄バンクの黄色い封筒を持っていますので一目でわかります。
そこではじめましての挨拶をして、早速診察室に移動です。
私が行った病院では内科の診察室で説明を受けました。
診察室で調整医師と顔合わせをします。
この段階では調整医師の先生は挨拶だけですぐ退室します。
コーディネーターの方の説明→電話で先生を呼び出す→問診→血液採取
という流れになります。
説明の内容
基本的にドナーハンドブックの本に沿って説明がされます。
・候補者、コーディネーター、医師の各役割
・病院にかかる日数スケジュール
・ドナーの健康要件と適合について
・2種類の移植
・リスクと保険と最終同意
スケジュールで重要なのは、入院のために8日ほど連続して休めるかどうか、生活に支障はないかです。
入院前に最終同意(家族同席)、血液採取や健康状態の確認のために平日日中に病院に行く必要があります。
スケジュールの確保ができるかどうかが重要なのは、採取→移植のタイミングがずれると患者さんの不利益が大きいためです。
骨髄移植を受ける患者さんは血液の抗体能力をドナーのものとすっかり入れ替えることになるため、移植の前には本人の抗体をすっかり抜いてしまって抵抗力がゼロの状態になります。
無菌室で過ごしているものの抵抗力がない状態は危険ですので、スケジュール通りに移植が進むことが重要になります。
最終同意、スケジュール決定後に「やっぱりやめます」となると、抵抗力0の状態になるよう準備を進めていた患者さんが危険に晒されてしまいます。
そのため、ドナーは自分の周囲との調整をきちんとできることが必要です。
ドナーの適合要件について、HLA(Human Leukocyte Antigen ヒト白血球抗原)の型が一致していることが求められます。

HLAの方は白血球の血液型みたいなもので、そのパターンは数万通りに及ぶそうです。
骨髄移植ではA,B,C,DR座それぞれ2抗原・計8種についての適合が求められます。
HLAは両親から1パターンずつ受け継ぐため、非血縁者間より血縁者間の方が適合の確率が高くなります。
また、人種による偏りもあり、アジア人はアジア人と適合する確率が高いそうです。
適合した場合は2種類の採取方法のうち、患者さん側の選択によりどちらの採取方法になるかが決まります(ドナー側がNGな方法を事前に申し出ることもできます)。
・骨髄採取:全身麻酔下で腸骨の中心部から穿刺により骨髄液を採取
・末梢血幹細胞採取:薬品(G-CSF)でドナーの白血球を増大させ、増大した状態の血液を腕もしくは鼠径部から注射で採取
骨髄採取は手術で採取、手術後に痛みや発熱があります。(採取後が大変)
末梢血幹細胞採取は手術はありませんが、事前に薬剤を注射し、発熱や倦怠感(熱の時白血球が頑張っているのと同じ状態)があり、薬剤注射後4-5日後から複数回血液採取、退院となります。(採取前が大変)
それぞれリスクがありますが、骨髄採取は麻酔薬によるけいれん反応、手術後の腰の痛みといった症状があります。
末梢血幹細胞採取は薬剤による薬剤アレルギーや長期的な健康問題(血液腫瘍)のリスクがあります。
G-CSFという薬剤はもともとがん患者さんの抗がん剤治療後の白血球減少に対して白血球を増大させるための薬です。
そのため、健常な人への薬剤の効果がまだ未知数な部分があるとのことです。
ただ、いずれの移植方法でも国内での死亡例はなく、海外での死亡例は過去10年以上前のものになります。
もちろんリスクはあるので、家族も含めた同意が必要になります。
リスクに対する一つの対策として骨髄バンクの提供する保険制度があります。
採取のために自宅を出た翌日から7~8日後までを対象に、医療処置に起因する事故や後遺障害に対して支払われます。

ただし、移植との因果関係が認められない症状や、症状が生じた後時間がたった後の申告では受け付けられない可能性があるので注意しましょう。
そのほかの話題としては、以下の話が出ました。
・2回を超えて骨髄移植はできないが、1回選ばれた人は2回目に声がかかる確率は結構高い(同意もスケジュール調整できることがわかっているため)
・海外の患者の場合、血液採取量が異なるため、最初の段階に日本国内の患者さんかどうかがわかる
・ドナー候補は通常3-4人いるが、適合度が同程度の候補者がいた場合は補欠のような形で待機する(同意は半年間ごとに更新)
・コロナ渦では入院中家族もお見舞いはできないうえ、PCR検査のための通院が追加になることもある
問診
コーディネーターからの説明が終わると調整医師の問診に入ります。
問診では健康状態、服薬や飲酒の状況、麻酔経験などが聞かれます。
その後血圧を測り問題がないことを確認後採決に移ります。
血液採取
採決はまた別室で行いました。
看護師の方の手でアルコール消毒、血液採取が行われます。
血液は腕から、複数の採取容器に取られますが、量的には合計で30mlほどで5分ほどで終わります。
血液採取が終わったら確認検査の内容はすべて終了になります。
採取後、血液検査の結果は2週間ほどで出ますとコーディネーターに説明されてこの日はもう解散になります
コーディネーターとの顔合わせから解散まで、合計で1時間30分ほどで終わりました。
途中で結構質問をはさんでこの時間ですので、スムーズにいけばもう少し早く終わるかもしれません。
この後は血液検査の結果、DNAのデータから患者さんとの適合度を測り、ドナーになるかどうかが決まります。
ここまで来たのでせっかくならドナーに選ばれてほしいものです。
また経過がありましたら記事にまとめますね。
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