結論:持分100%、借地権なし、接道4m以上、リフォーム費用が抑えられる物件を選ぼう
競売物件は裁判所の執行官と不動産鑑定士が調査した資料、通称「3点セット」があります。
この3点セットをきちんと読めるか否かが競売物件の購入の成否を分けます。
3点セットには不動産・法律用語が出てきますので、ハードルが高いのですが、ポイントを押さえれば専門家でなくても十分に読み取れます。
この記事では競売の3点セットを読む際に私が意識しているポイントを初心者向けに解説します。
3点セットの構成
3点セットは以下の構成と内容になっています。
①物件明細書:公簿や資料に基づく土地、建物、道路等、物件の一覧と詳細
②現況調査報告書:執行官が調査した現在の物件の状況と関係者の陳述
③評価書:②や地価、収益性を加味した物件の価格とその内訳
難しい言葉が並んでますが、要は物件が持つ法律上の権利と今どうなっているか、そしていくらから入札できるかが記載されている資料ということです。
物件によっては膨大な資料枚数となりますが、ここでは賃貸に出すための物件を探しているという設定で資料を見るポイントを挙げていきます。
見るべきポイント
以下、実際の競売資料(甲府地方裁判所、令和02年(ケ)第11号)を基に、チェックポイントを説明します。
表紙には入札する際に書類に記入する情報(事件番号、開札日など)が書かれています。
私はいつもこの表紙を見ながら書類を記入しています。

次ページには数字情報が書かれています。
買受申出保証額が銀行振込用紙に記入し、この額+振込手数料を銀行窓口で支払います。
銀行窓口では保証額の確認はしませんので、間違えないように書きましょう。
また、右側には固定資産税と都市計画税(合わせて固都税とよぶことも)の直近のデータが載っています。
固都税は所有者が年間に支払うコストになりますので、利回りの計算に必要です。

物件目録には物件の一覧が載っています。
ここで大事なのが持分です。
しばしば「持分 1/4」などの記載があり、所有権の合計が1/1にならない場合があります。
これの意味するところは、この物件を競り落としても他の誰かとの共有物になる、ということです。
つまり、落札してもそのままでは物件は使用できません。
(道路などは持分の一部があれば問題ありません)
持分の確認は必ずしましょう。

土地と建物の現況と占有状況にも気になるところがない確認をしましょう。
特に、落札後の交渉にかかわる占有者と占有状況、目的外建物の有無は要注意です。



関係人の陳述は、物件使用の可否や住んでいる人の率直な意見など非常に重要な情報が載っています。
(たまに笑える・笑えない陳述もありますので必見)
執行官も関係者の陳述を基に真偽や妥当性の確認をしています。
ここで問題のあるような陳述や非協力的な態度の場合はNG物件の可能性が高いです。

公図には物件へのアクセスにかかわる情報が載っています。
土地の形状や道路状況をよく確認しましょう。
間取り図では部屋数と設備を確認し、賃貸に出す場合のターゲットをこの時点で想定します。

写真では、3点セット上で言及されていない物件の瑕疵やプラス情報が潜んでいる場合があります。
現地に行ったつもりでよく観察し、修繕費用の見積もりを自分なりに行います。

土地と建物の情報は物件の周辺情報が詳細に記載されています。
ここで、再建築・リフォーム・客付けの方針を読み取ります。


物件の評価額は積算価格(土地の値段と面積から算出)や収益価格(収益性から算出)が参考にされます。
いずれにせよ、競売の特殊事情によりおおよそ0.5~0.7倍された価格が売却基準価格となります。
つまり、競売の特殊事情をうまく処理することができれば、物件そのものの価値より安く取得できる可能性があるということです。




OKワード・NGワード
3点セットをざっと眺めてきましたが、ここでは私が入札の判断材料にしているワードをまとめてみます。
OKワード(プラス要素だがこれだけで即入札とはならないので要注意)
・「賃借権は抵当権に後れる」
→アパート等で賃借人がいる場合に登場。そのまま住み続けてもらえば賃料を得られる。
・「クロスの亀裂」、「床の汚れ」、「壁の穴」
→リフォームが簡単なため問題なし
・「検査済証/建築確認」
→あればかなり嬉しい
NGワード
・「持分1/〇」(合計が1.0にならない)
→落札しても使えない
・「接道していない/セットバックを要する」
→そのままでは再建築できない
・「承諾または裁判を要する」
→物件の使用に目的外物件が関与している(借地権等)。電話で承諾を得られそうならOKだが、そうでないなら入札しない
・「多額の修繕費用を要する」
→特に基礎や構造にかかわるものはリフォーム費用が膨大になる
・「土壌汚染/埋設物」
→ある場合は再建築が難しいため避ける
・「傾きがある」、「建付けが悪い」、「雨漏りの跡がある」、「白蟻の形跡」
→リフォーム費用の見積もりが難しいためNG
・「上水道:なし」
→井戸の場合は安全性の問題と客付けの難しさから避ける
まとめ
初心者の方にはハードルの高い3点セットの読み込みですが、ポイントを押さえればその物件の情報が良く理解できます。
私自身、これまで入札を行ってきましたが、上記のポイントを押さえて入札をしてきたためか、大きな失敗はまだありません。
不動産投資はあくまで自己責任であり、資料と現況が異なることもままあります。
また、この記事で述べてきたポイントも私個人の考えであり、人それぞれ見方や基準は変わります。
ただ、入念な下調べとリスクヘッジを最大限行うことで、大きなリターンを得られます。
3点セットはその貴重な道しるべとなりますので、ぜひ皆さんなりの読み方・ポイントを編み出してください♪
そしてぜひコメントにて共有してください♪
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